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症例3 61歳男性 主訴:両上肢しびれ』に関する解説

三浦レポートとは・・・
1991年、厚生科学研究として「脊椎原生疾患の施術に関する医学的研究」と題した報告書が提示されました。この研究は、当時非国際基準カイロプラクターによる施術ミスによる患者の訴えが相次ぎ、厚生労働省(旧厚生省)が東京医科大学の三浦幸雄教授に研究をゆだね、他7名の整形外科が研究協力者として行われました。これが通称「三浦レポート」と呼ばれています。

三浦レポート症例3 61歳 男性
主訴:両上肢のしびれ
(現病歴)両下腿の痛み、しびれが出現、医療機関へ通院、加療を受け、症状改善。その後、カイロプラクティック療法を受け、両上肢のしびれも上行し医療機関再診となる。
(Xp所見)頚椎C1~5の混合型後縦靭帯骨化があり、脊柱管の狭窄はC4/5で最高である。C5~7には前縦靭帯の骨化もあり、強直性脊椎骨肥厚症の合併が考えられる。
(コメント)本例は、頚椎後縦靭帯骨化症に対しカイロプラクティックを行い脊髄症状が憎悪したものである。

【解説3】

医学的側面

高齢男性の後縦靭帯骨化症(OPLL)に伴う脊髄症です。施術(おそらく頚椎に対してでしょう)を行う前に両下肢のしびれがあり、治療後に両上肢のしびれが出現したという、カイロ治療による脊髄損傷例(報告書には脊髄症悪化例と書かれている)です。医学的視点では、コメントにいたる根拠も含めて異論はありません。

カイロ的側面

症例2と同様、カイロプラクターの資質の問題とともに、カイロ治療の安全性に警鐘を鳴らす症例です。両下肢のしびれを呈する病態として、腰椎だけでなく頚胸椎レベルの神経障害がありうることをカイロプラクターは知っていなければなりません。それを想定できれば、しかるべき他覚所見をとることができます。頚椎レベルの脊椎障害の可能性を除外できなければ、しかるべき他覚所見をとることができます。頚椎レベルの脊椎障害の可能性を除外できなければ、頚椎に対する施術は避けなければなりません。結果的に、治療に伴う二次的な神経損傷を未然に防ぐことができます。資質の点では他に、カイロ初診時に既往歴を聴取していなかった可能性や、神経症状を伴う頚椎OPLLの存在を知っていながら施術した可能性、などが考えられます。いずれにせよ、救いようがありません。

症例の事実性

十分にあり得る症例です。公正中立な立場で全く異論がないのは、4症例中この症例のみです。

カイロプラクター村上佳弘レクチャーする人

竹谷内克彰 1972年うまれ。東京都出身。
東京医科歯科大学医学部卒業。
福島県立医科大学整形外科で9年間臨床と研究に携わる。
東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック講師
医学博士。統合医療学会認定療法士。

「三浦レポートを考える」全バックナンバー

1. 三浦レポートを考える: 報告書に対する過去の検証
2. 4つの症例報告と検証における3つの視点
3. 『症例2: 80歳男性 主訴左下肢痛』に関する解説
4. 『症例3 61歳男性 主訴:両上肢しびれ』に関する解説
5. 『症例4 79歳男性 主訴:左肩痛』に関する解説
6. 三浦レポートに関する解説---最終回

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